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Sep 13, 2005

Ejovi Nuwere (イジョビ・ヌーワー)氏の第5回口頭弁論原告準備書面

平成16年(ワ)第24723号 損害賠償請求事件
原 告 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)
被 告 国

原 告 準 備 書 面(2)

2005年(平成17年)9月5日

東京地方裁判所民事第37部合A係 御中

原告訴訟代理人弁護士 清  水   勉

1 原告の立場
原告には言論の自由(憲法21条1項)が保障されている。本件セミナーにおいてどのような発表をするかは、本来、原告が自己の責任において決めるべきことであって、他人が指示することではない。
そもそも原告は、コンピュータセキュリティの専門家として米国政府関係を始め、広くコンピュータセキュリティの業務に関わっているものであるから、業務上、知り得た事柄で公にすることに支障がある事柄について、これを公表しないのは当然であり、そのようにしなければ原告の業務は成り立たないのである。
原告は、本件侵入実験を長野県との契約に基づき、長野県内の3町村で実施したものであるから、契約上の守秘義務を守るべき立場にあり、また、上記3町村の住基ネット業務に支障を生じない範囲での発表に止まるべきは当然である。

2 原告が発表しようとした内容
原告が本件セミナーで発表しようとした内容は、基本的に、長野県が2004年(平成16年)2月29日に発表した、『住基ネットに係る市町村ネットワークの脆弱性調査最終結果について』と題する報告書(甲18-1)と、伊藤穣一による第三者評価(甲18-2)に依拠したものであり、同県のホームページにも掲載されている。
また、長野県住基ネット侵入実験に参加した吉田柳太郎は、侵入実験結果に関してマスコミの取材に応じたり、各地の市民集会で説明したりするなどしており、さらに、本件セミナー開催日以前に、西邑 亨との共著で『地域住民と自治体のため住基ネット・セキュリティ入門』(七つ森書館)(2004年9月1日初版)(甲19)を書き、一般に販売されていたものである。
被告が問題としたスライドに何ら問題がないことは、原告準備書面(1)の6(2)(7〜9頁)で説明したとおりである。「不正アクセスを助長するおそれがある」(被告準備書面(1)8頁)ものではないし、「住基ネットや市町村のシステムの信用を失墜させるもの」(同頁)でもない。
コンピュータセキュリティの専門家である原告が、万が一にも、侵入実験に協力した3町村の住基ネット業務に支障を生じるような話を公の場でするとすれば、それこそ専門家としての信用を失うことになるから、そのようなことをするはずがない。コンピュータセキュリティの専門家の常識である。

3 総務省の立場
総務省は本件セミナーの後援者である。後援者という立場から個々の発表者の発表内容を変更させる権限はない。
総務省は、発表者である原告に対して、その発表の妨害にならない限度において、発表予定内容について質問したり意見を述べたりすることは許されるが、発表内容の変更を求めることは、上記の限界を超えるものであり、違法である。
高村課長補佐は、個人として意見を述べたのではなく、「後援者である総務省としての意見」(被告準備書面(1)5頁)を述べたものである。
総務省の要求は、原告に発表内容の変更を求めるものであり、違法である。

4 SIDCの立場
本件の場合、原告の発表内容について原告と主に話し合ったのは、本件セミナーの実行委員会の中心的企業であるSIDCの関係者、代表取締役である里吉昌博(以下「里吉」という。)、内田哲(以下「内田」という。)、ジム クテニコフである(甲4参照)。
しかし、SIDC関係者が原告に発表内容の変更を求めて来たのは、高村課長補佐の指摘が発端となっており、かつ、変更を求めた内容は悉く同人の意向に従ったものであった。
しかも、11月12日午前に高村課長補佐らに示された新講演資料(甲8-2)について、高村課長補佐らは、「住基ネットや市町村のシステムの信用を失墜させるものであり相当でないから、総務省後援の会議の内容としては適当でないと考えられる」、「住基ネットと庁内LANの混同をなくしてもらいたい」として、「この2点に配慮して講演がなされるべきであるというのが後援名義の使用を承認している総務省の意見である。」としており(被告準備書面(1)8頁)、「総務省後援の会議」であること、「後援名義の使用」の承諾を強調している。これは、総務省の意向に従うべきことを里吉らSIDC関係者に強く求めていることを示すものである。
したがって、このような事実関係からすれば、高村課長補佐や上仮屋専門官など総務省関係者が直接、原告に会っていないとしても、SIDC関係者を介して自らの意向を原告に伝え、変更を強く迫り、その結果として、総務省の意向に従わない原告は本件セミナーでの講演を断念せざるを得なくなったということができる。
以上

Posted by Gohsuke Takama on September 13, 2005 at 02:40 PM | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Ejovi Nuwere (イジョビ・ヌーワー)氏の提訴-原告側証拠申出書

平成16年(ワ)第24723号 損害賠償請求事件
原 告 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)
被 告 国

証 拠 申 出 書

2005年(平成17年)9月5日

東京地方裁判所民事第37部合A係 御中

原告訴訟代理人弁護士 清  水   勉


1 人証の表示
(1) 原告本人 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)(同行)
(尋問予定時間:60分)

(2) 東京都千代田区霞が関2−1―2
中央合同庁舎第2号館 総務省内
証  人 高 村  信(呼出し)
(尋問予定時間:30分)

2 証すべき事実
(1)  原告本人 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)
本件セミナーで発表しようとした内容が総務省の後援に相応しくない内容ではないこと、総務省に妨害されたためこの発表ができなくなったことなどを立証する。

(2) 証人 高 村  信
総務省が本件セミナーの後援者の立場から原告の発表内容について条件をつけたことが誤りであり、また、総務省の意向として原告の講演を中止させたことを立証する。

3 尋問事項
別紙のとおり

尋 問 事 項

原告本人 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)
1 コンピュータセキュリティについて
2 コンピュータセキュリティ専門家としての作法
3 原告が本件セミナーの講演を引き受けた経緯
4 講演内容を長野県での侵入実験に関するものに決めた理由
5 講演内容に対する本件セミナー実行委員会の反応
6 2004年(平成16年)11月10日の話し合いと修正版のスライドの作成
7 同年同月12日の話し合い
8 その後の原告から総務省に対する話し合い解決の申入れとその結果
9 その他本件に関連する事項

尋 問 事 項

証人 高 村  信
1 証人の経歴
2 証人の住基ネット及び長野県内での侵入実験への関与状況
3 原告の作成したスライドが問題とされる理由
4 「不正アクセスを助長するおそれ」の有無の判断方法
5 「住基ネットや市町村のシステムの信用を失墜させる」とはどういうことか。
6 「住基ネットと庁内LANの混同」とはどういうことか。
7 里吉らSIDC関係者に原告への対応を委ねた経緯
8 「総務省後援の会議の内容としては適当でない」講演を原告が行う場合、総務省はどのように対応するのか。
9 その他本件に関連する事項

平成16年(ワ)第24723号 損害賠償請求事件
原 告 Ejovi Nuwere(イジョヴィ・ヌーワー)
被 告 国

証 拠 説 明 書

2005年(平成17年)9月5日

東京地方裁判所民事第37部合A係 御中

原告訴訟代理人弁護士 清  水   勉


甲号証 19

標目 『地域住民と自治体のため住基ネット・セキュリティ入門』(七つ森書館)

原本・写し 原本

作成者 吉田柳太郎、西邑享

作成年月日 2004/9/1

立証趣旨
長野県での侵入実験によりわかった問題点の指摘とその対応について、上記侵入実験に関与した者が書いた書籍がすでに販売されていること

Posted by Gohsuke Takama on September 13, 2005 at 02:24 PM | Permalink | Comments (0) | TrackBack